「キッチンからカーネギー・ホールへ エセル・スタークとモントリオール女性交響楽団」
(ISBN: 978-4-636-10271-0)
- マリア・ノリエガ・ラクウォル 著
- 藤村 奈緒美 訳
- ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス出版部 2,530円(税込)
1940年代、オーケストラは女性演奏家の活動を制限するなど、女性に対して門戸を閉ざしていました。カナダ・モントリオール出身のエセル・ガートルード・スタークは、自ら指揮棒を持ち、マッジ・ボウエンの協力を得て、モントリオール女性交響楽団を立ち上げました。この楽団は、カナダ代表として初めてニューヨークのカーネギーホールに出演し、メンバーの一人は、カナダの黒人女性として初めてカーネギーホールで交響曲を演奏した人物にもなっています。偏見と差別が支配していた社会で、あらゆる職業の女性たちに平等の機会への扉を開けただけでなく、社会全般における性別・人種・階級の壁を打ち破った実在の女性たちを、音楽教師であり音楽学者である著者が記録した物語です。登場人物たちや女性だけの楽団の実際の写真が多数掲載され、彼女たちが生きた時代についてより深く理解することができます。 |